2016年02月29日

私はおかあさんではありません

ある店でのこと。カウンターで飲んでいたら、5〜6人のグループ客さんが入ってきた。大変礼儀正しくて、お店のママさんとも和気藹々とやっていた。このグループが会計を済ませたところに、仲間だと思われるもう一人がやってきた。入ってくるなり、自慢話! 

遅れたのは仕事のせい。
日本中を駆け回るほど忙しい。
みんなに期待されている。
僕が居ないと何もうまくいかない。

声が大きいので耳に入ってくる。最初こそ「へぇ、この人、そんなにすごいんだ」と思ったものの、延々と続く自慢話でネタが割れてきた。歴史本やハウツー本の受け売りだ。しかも、しまいには自分を、歴史上の英雄に例えだした。

「僕は〇〇〇〇(英雄の名前)の再来だと言われているけれど、そうじゃない。〇〇〇〇を育てるニンゲンだ。僕のような人間が何人もいれば、沖縄はすべてうまくいくんだから」

すげぇ! ここまで来ると、ちょいとおかしな奴と言わざるを得ない。帰ろうとしていたグループ客は「またか」という雰囲気で、相槌を売っていた。

この自慢野郎は世間から見ると、自分自身が「おっさん」「おとうさん」世代であるにもかかわらず、親しみを込めたつもりか、見下しているのか、ママさんのことをしきりに「おかあさん」と呼ぶ。

「おかあさん。グラスちょうだい」「おかあさん、氷」
「おかあさん、このお茶、色が濃すぎるんじゃねえの」

「本場の黒ウーロン茶です」

やっと全員が出ていった。

「誰? あの失礼な客は?」

「さあ、私はあんな人のおかあさんじゃありませんし、お客さんでもありませんけどね」とママさん。なんと、自慢野郎は追加注文しておきながら金を払わずにしれーっと出ていったのだという。

人がほめないから、自分で自分を売り込むしかないのだろうが、金の払い方には、人間の品性が現れる。たぶん50代だとおもうが、自慢すればするほど人が逃げていくことに、その年になるまで気づかないこの男が哀れであった。本当に仕事できる奴なんだろうか、疑わしいぞ。

オイラは、テレビでも普通に見かけるが、よく知りもしない年配者に対して「おかあさん」「おとうさん」とか「おばあちゃん」「おじいちゃん」と気軽に声をかけるヤツは大嫌いである。呼びかけるならばたとえ相手が80歳でも「おねえさん」「おにいさん」が良い。あるいはきちんと、名前を聞くべきだ。

ついでに言うと「おばぁ」「おじぃ」の呼びかけも、身内でない限り、よろしくない。言われた側は、表面はにこっとしても、実はムッとしているのだから。

ちなみに前述の彼は沖縄人ではなく、沖縄の資源と金を利用しようと地元行政に食らいついているタイプの本土の男であった。
posted by 中庸 at 18:22| 沖縄 ☀ | TrackBack(0) | どーでもいいこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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